【第3話】ハンサム愛理はまゆゆを溺愛する。
〜感動の再会〜
「おいてめぇ聞いてんのかよまゆゆ」
も、もしかしてあんた幼稚園で一緒だった…よね!そんでもってあのモテモテで人気だった愛理!?
「そうだからお前に頼んだんだろ。まっ、今でも人気だけどな」
ちょっと待ってよ!確かに愛理はモテモテで人気者だったよ!でもめちゃめちゃ性格が悪くて、私もどれほど、からかわれた事か………
「いや〜、家の事情でさ、こっちに引っ越してきたんだけど、まゆゆがいてびっくりしたよ。」
驚いたのはこっちなんですけど!確かに愛理は幼稚園でもうすぐ卒業って時ぐらいにいなくなってたなぁ。「だから気づかなかったのか…」私は愛理の顔を見て小声で言う。
「なんだよ、ジロジロ見やがって」
何も変わってない…幼稚園の頃、毎日見ていた顔。そして性格もな!ああやってすぐ人を脅すとことか、自意識過剰でナルシストなとことか何も変わってない!少しぐらい優しくなっててもいいのに…
「と言う訳で、女子を追っ払ってくれよな」
「もう、わかったてば!」鬼のような顔で言ってやった。
女子が群がっているところにパパッと行って、追い払おう。
「ね、ねぇあのさ。そ、そのちょっと愛理も嫌がってるからさ、教室戻ろう?」
「はぁ、何?うちらが愛理くんに迷惑かけてるってこと?」
あ、いやえっとその…
「つかそもそも!あんたなんで呼び捨てなのよ!」「そうよそうよ!さっきあんた愛理くんと喋ってたじゃない!」「少し親しいからって、調子に乗ってんじゃないわよ!」
あ、いや、そんなつもりじゃ…
「キモいのよインキャ眼鏡!」
ガーン!!私の華の学園生活が……トボトボと愛理の元へ戻る。ムッ!
「あんたのせいで女子から嫌われたじゃん!?!?」
「あぁ、ごめん」愛理は興味なさげに言った。
少しは反省しろ!
「まぁまぁ。そういうヒステリックなところとか、昔から変わらないねぇ」
こいつッッッ!
「てかさ、まゆゆってそんな見た目だったけ?」
ギクッ
「なんかもっと可愛い感じだったと思うんだけどな」
……ッ 言い返せずにいる。
「まゆゆって眼鏡かけてなかったよな?」
「い、いやちょっと中学進学してから急に目悪くなっちゃってぇ〜」
「ふ〜ん…」愛理は怪しげな表情で言った。
「ほ、ほんとだもん!…」私は早歩きでその場を去る。
放課後、私は愛理に絡まれないように急いで帰った。
「ただい…ま〜」
息を詰まらせながら言うと
「おかえり、そんなに疲れてどうしたの?」お母さんは心配そうに言う。
「なんでもない!!!」
『ドガンッ』という効果音みたいな音を立ててドアを開け、ベットにダイブした。いかにも現代っ子、という風に、真っ先に鞄からスマホを取り出す。そしてLINEで、ある人物にメッセージを送った…